新刊「スーパーヒーロースーパースター」についてと私のじろさぶ史
新刊を読んでくださった皆様ありがとうございます。
いつもイベント2、3回は持つように刷ってるんですけどいつもと同じ部数刷って、いつもより早くなくなったので正直驚いているところです。
一件キャンセルで手元にあった分も無事に旅立ち、初版は完売となりました。
12月のじろさぶオンリーで再版するので、それから先しばらくはなくなることもないと思います。
番外編も再版します。
このジャンルにハマったのが2018年の5月頃でちょうど1STDRBの真っ最中だったのは覚えています。最初に好きになったのは別のCPでしたが、2人のコンビラップがあるLTABや無料公開されていない最初のドラパ(人生大逆転ゲームをしてるやつ)や1STDRBの敗北を経て、じわじわとじろさぶにハマりました。いつも喧嘩しつつ、それでいて信頼関係もあり、お互いがライバル、かわいいじゃん。
半年ぐらいROM専してその年の三郎の誕生日に初めてちゃんとしたじろさぶの漫画を描いて、翌年2019年の4月に同人誌を発行しました。
それから、今日に至るまで小説本も含めて13冊のじろさぶ本を作りました。どれもとても思い入れのある大切な本ですが、その中でも「スーパーヒーロースーパースター」は特別な本になったなぁと感じています。
頂いた感想で「じろさぶアンサー本」「マスターピース本」と称して頂いたんですが、まさにそんな感じです。
134pの本
ちょっとどういう心情や工程で作っていったか記録しておこうと思います。
ずっとなにも考えずに読めるエロ本ばかり描いてきたので、まじめなお話を描くのに抵抗がありました。個人的にはち○ち○描くより恥ずかしいです。あと単純にまじめな話は描くのがしんどいという思いがあって避けていました。ラブラブはっぴぴえっちは二次創作の中でしか読めませんし、ならそういうの描いたほうが楽しいじゃん。実際ハッピーエロは描いてて楽しいので向いてると思う。占いでも楽しいと思うことどんどんやれと言われたし。
じゃ~なんでこの本描いたのかというと、バトルに負けてからストーリー上で『弱い』だの『依存』だの言われ続けた二人を『そんなことないよ!二人は無敵だよ』って言いたかったからです。
あとは自分の成長と、一冊くらい解釈詰め本を作っておきたかったってのもある。いや、解釈はエロの時も詰めてますが。
DRBは個人戦じゃないから一人で最強になる必要はないのに(強いほうがそりゃいいけど)どうしてみんな個人で戦おうとするんだろう…と思っていました。週刊少年ジャンプで育ってきたからチームで強いほうが強いって遺伝子が知ってるんですよ。
じろさぶに関しては、声の相性の良さ、コンビネーション、足りないところを補いあえる才、どれをとっても2人で『無敵』なのになぁ~ってそれこそLTABのコンビラップの時から思っていました。
そういう想いを本にしようとしたんですが、プロットに取り掛かったのが昨年の9月頃、無謀だったので11月にこの本だそ~って思ってました。どう考えても2か月じゃ無理なんよ。
2NDDRB始まる前に出さなきゃって気持ちがあったんですけど、普通に間に合いませんでした。この時点で描き始めたネームが結構なページ数になってた気がします。
今年1月から2NDDRBがはじまり、ライブ!CD!新曲!新情報!!原稿!って感じの日々。ライブでのRe:start!!!すごくよかったですよね……。益々この本を形にしないと、と思いました。バトルシーズンが始まり、余計に燃えたのはあります。
3月のイベント目標で原稿をしていたのですがこのあたりでページ数が100pを超えました。無理でした。
これまで出した漫画で一番ページ数が多いもので80pくらいだったんですが、100pはちょっと未知の領域ですね。私は元々短距離ランナーというか、長い話を描くのが得意ではなく、白目を剥いたと同時に100p超えたから小口染しよ~~♡と思いました。本の装丁考えるのが好きなので、つらいときはやりたい装丁に思いを馳せ原稿に向き合う気持ちを戻していました。小口染は結果的に大成功でした。小口染、箔押し、特色蛍光イエロー、ここぞとばかりに装丁を盛りまくったんですが、こんなのも毎回はできないのでとても楽しかったです。
私の本を見て、小口染や蛍光色印刷やってみたいって言ってもらえたのもとても嬉しかったです。みんなにもやりたい事どんどんやっていって欲しい。
短距離ランナー的につらいところは、完成するまで誰にも見てもらえないところにもありました。普段は大体1か月くらい原稿したら本ができて読んでもらえるので。
ただこれは最初から辛くなる事が予想できていたので、いつもは頭から順番にペン入れ→仕上げと進めるのですが、物語の中で切り取って短い話として掲載できそうなところを先に仕上げて、Twitterに載せました。
モブを助けてヒプノシススピーカーを顕現させる三郎の話やヒプノシスアビリティの話がそれです。
スピーカーの作画すごいなどの感想を頂きめちゃくちゃやる気が出ました。ありがとうございました。
サンプルは全体ページの半分くらいUPしたんだけどこれはどうだったのかわからない。反応よくも悪くもなく。
適切なサンプル量と部数はずっとわからないままです。
ネームはエピローグも含め最終的に130pでまとまりました。
これはネームの紙たちです。分厚い……。
いつも手帳に挟んで持ち歩いてて、職場で昼休みとかにネームしたり下書きしたりしているんですが、今回は持ち歩くページを決めて、一部は家でお留守番などさせていたので、たまに描いたネームを無くしたりしていました。
進捗ノートを見返すと5月11日の時点で
下書きが半分しか終わっていないのに7月に出そうとしていて無理じゃんと思いました。無理でした。
今回は短く簡潔にまとめることは目的とせず、伝えたい事、描きたい事をこぼさないのを優先したのでめちゃくちゃページ数嵩みましたが、それでもなんとか2NDDRBの決着がつく前に発行できました。良かった……
発行のタイミングがじろさぶデュエットと被ったんですけど、私の言いたい事大体ReBでした。ありがとうございました。
たまに聞かるのですが、作中のリリックも自分で考えました。
これがプロットの中で一番時間かかったかもしれないです。
この話を描く上でバトルシーンはやはり外せなかったのと、ちゃんと言葉にせず濁した表現にすると、感情が伝わりにくいと思ったので、難しいよ~って泣きながらリリックを作りました。
一郎が「肌の色やどこの人どんな言語やリッチか貧乏 関係ねぇ」って歌うのがすごく好きで、そういう思想をヤマダ家はみんな持ってて欲しいなって、特に三郎は最年少だから経験だったり、体力の差は付き纏うけれど、言葉で戦うならそんなもん関係ねぇって言って欲しいなぁと思ってます。単純に「体力」のある「大人」の「男」が勝つ世界なら、言葉を武器にする必要がなく、非力な、女、子どもでも対等に戦えるのがヒプノシスマイクなので……、そういう意味でBuster Bros!!!が全員未成年である事は作品の象徴的な部分もあるのかなと思っています。
各ソロ曲のタイトルを入れたのはわかりやすくリスペクトです。
内容以外にはじめから今回やってみようと決めていたのはキメゴマに見開きを使う事でした。見開きにしたいページがいっぱいあったんですけど、頑張って3つに減らしました。ひと作品に3つもちょっと多いかなって気がしますが、どこも効果的に使えたと思うので、ヨシとします。見開きってやっぱり紙の本ならではの良さや迫力が出るので、やってみて良かったです。
あとこの本をひっさげて、出張編集部に行きました。
中辛にしたんですが、すごい褒めてもらえて元気が出ました。
アドバイスももらえたのでおすすめです。
表紙の二人の拳の後ろの写真はアニメEDで三郎が立っていた場所の写真を使いました。
たまに聖地巡りをして写真を撮って漫画の作画の参考にしています。背景を描くのが本当に嫌なんですけど、今回はそれなりにイケブクロの街も描きました。偉い……
これは、この本に限らずですが、原稿中は結構イメソンプレイリストを作って聴いています。
タイトルの「スーパーヒーロースーパースター」は言わずもがな2人の事です。ヒーローはかつての三郎にとっての二郎であり、現在誰かを助ける三郎でもあり、スターは三郎のソロ曲の意味もあり、2人の輝ける未来の意味や『無敵』という意味もあり、どちらもスーパーヒーローだし、スーパースターです。
いろいろ書きましたが、苦手な長距離も走ってみれば走れるな~って印象です(きついが)プロットから考えると発行までほぼ1年かかっているし、1年間に出す本をページ数で割ると案外そんなもんなので、短期間で100p超え本出そう!(無計画)ってやらなければできるんだと思う。
130pの原稿しながら3回イベントで別の本出したのも、もしかしたら息抜きのインターバルになって良かったのかもしれないです。
あと、130pの原稿終えたあと、トップギアのまま番外編28pが一瞬で描けたのも、学びでした。エンジンがかかってる間は手が速い。
速いといえば、私はトーン貼るのが他工程に比べ速くて得意なので一日の原稿の時間が平日平均4時間の中、大体10p仕上げてたんですけどこれは、みなさんの原稿にも役立つのかなぁと思いますので、トーンを速く貼るコツみたいなの今度まとめてみようかと思います。
本の感想はいつでも待ってますので気軽に送って頂けると嬉しいです
にゃんちゅう
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